【連載】池悦子先生からのメッセージ 人生を輝かせるヒント〈今月のテーマ:よりよいコミュニケーションとは〉
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人と人とが集まる場には、必ずコミュニケーションの問題がついて回るもの。仕事や友人、家庭、あるいは一期一会の場面までを含めると、日常は人とのコミュニケーションで成り立っているといっても過言ではありません。一方で、人との交流は楽しい半面、伝え方や話し方ひとつで場の雰囲気や関係性が大きく変わってしまう難しさもはらんでいます。今回は、ビジネスからプライベートまで、立場や年齢もさまざまな人と交流を図り、豊かな人間関係を築いてきた池悦子先生が考える、コミュニケーションの極意をお伝えします。
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池悦子プロフィール
1970年から86年まで、宝飾品から家具・インテリア雑貨・紳士&婦人ファッションまでの、海外のラグジュアリーブランドを集積した高級専門店の営業企画室に勤務。1986年に部下と共に、株式会社アイアンドエムを設立。ハイグレードなライフスタイルを提唱し、執筆・講演・イベント企画・マーケティングなどの業務を遂行。2012年、大東文化大学書道研究所 書道教授者資格認定試験合格。漢字・仮名ともに『名誉成家』(最高位)取得。2014年から書道サロン『書便り俱楽部』主宰。本媒体のロゴも手がける。
今月のテーマ「言葉づかいに人柄が見える——円滑なコミュニケーションのための会話術」
相手をリスペクトすることがすべての基本
誰かと話をしたり、コミュニケーションを図ったりするときに、私が心がけていることが4つあります。1つ目は相手をリスペクトすること、2つ目は誰に対しても同じ言葉づかいをすること、3つ目は7:3の割合で話を聞くこと、最後に話をするテンポを意識すること。中でも、相手をリスペクトするという点をとても大切にしています。
尊厳を傷つけない話し方や接し方を
相手をリスペクトするということは、つまり、その方の尊厳を傷つけず、心に配慮した話し方や接し方を心がけること。そのためには、言葉づかいも大事です。私は、老若男女問わず、すべての方に「です・ます調」でお話しします。幼いお子様であっても幼児言葉は使いません。実は、夫との間でもこの口調での会話でした。夫がそういう話し方をしていましたので、いつしか私の流儀になりました。若い頃は、この話し方を「かわいげがない。おんなは愛嬌だぞ」などといわれたりもしましたが、あらそうですかと思って聞き流していました(笑)。
ただし、この話し方は、確かにビジネスライクな印象にもなってしまうことに気がつき、声のトーンやテンポ、表現には気をつけるようにしました。
相手のペースに合わせ、自分を押し通さない
誰かと会話をする際には、その方のテンポに合わせるということにも配慮しています。相手がゆっくりとした話し方であれば、私も合わせてゆっくりとお話をする。それを実行するためには、会話の主導権を自分が持ちすぎないということが大事です。つまり、まず相手のお話をしっかり聞くこと。私は、まず誰かと会話をする際は、7割聞くように専念し、3割で自分の意見をお話しするようにしています。そうすると相手が何をおっしゃりたいのか、どんな考え方や価値観を持っているのか、どんな話し方をされるのかがきちんと伝わってきます。
また、お話をする際は、その方のお話を耳だけで聞くのではなく“心でも聞く”ことがとても大事。相手の表情やボディランゲージをしっかり観察して、これはあまり知られたくないことかもしれないと、言外の気持ちを察することもやさしさ。そこを見誤り、根掘り葉掘り聞くことは相手を傷つける結果にもなりかねません。
人は十人十色で、趣味嗜好も価値観もまったく違います。コミュニケーションを図る際に、自分の価値観を押しつけることはタブーだと肝に銘じています。
相手に興味を持つことの大切さ
コミュニケーションを図る相手は、既知の方ばかりとは限りません。初対面の方とお話しすることもたくさんあります。私は、初対面の方とお会いする機会がある時は、必ず事前にその方のリサーチをします。今ならSNSなども使いながら、その方の趣味や嗜好を把握しておくのです。これは、相手を尊重することのひとつでもありますが、相手に興味を持つことはコミュニケーションにとって非常に大切なこと。お目にかかる方がどんな方なのか、どんなことに興味や関心を持っているのか……それを把握しておけば、相手がお話ししやすい話題を振ることができます。
一方で、あまり自分とは感性が合わない、話題が合わないという方もいます。その場合は積極的に関わらずに距離をおくことが得策です。自分自身が心地よくあるためにも、はっきりと一線を引くことも、コミュニケーションのひとつの方法だと思います。
今月の書『わざわいは 口より出でて 身をやぶる さいわいは 心よりいでて 我をかざる』(日蓮聖人)
言葉ひとつで相手の気持ちが変わる
今回の書は、「話す」ということをキーワードに、日蓮聖人の言葉を引用いたしました。コミュニケーションに言葉は欠かせませんが、その言葉づかいひとつで関係性がよくも悪くも変わってしまいます。
私は、お話をする際にできるだけ強い印象を与える否定的な言葉を使わないようにしています。例えば、お誘いをお断りする時は単純に「行かれません」ではなく、まずは誘っていただいたお礼を述べたうえで「お誘いありがとうございます。ですがその日は残念ですが、先約が入っておりまして、お伺いできそうにありません」といった感じで、やんわりと伝えます。
また、仕事で部下に注意しなければならない場面があったとしましょう。その時には、まずはその仕事をしてくれたことに「ありがとう」と感謝をし、いいところを褒めることから始めます。そして、その後に指摘するという3段階で伝えていました。また、その時に徹底して気をつけていたのが、大勢の前で注意しないということ。私自身、若い頃に大勢の前で叱責されて傷ついた経験があり、自分はそれをするまいと誓ってやってまいりました。
繰り返しになりますが、コミュニケーションの基本は相手の尊厳を傷つけないこと。それが、結果的には、互いに心地よい良好な関係へとつながっていくのだと思います。
色紙プレゼント
池先生が書いた色紙を1名様にプレゼントいたします。
応募期間
2022年9月7日(水)18:00 〜 2022年10月7日(金)17:59
応募規約にご同意いただいたうえで、応募フォームから必要事項ならびに本企画へのご感想やご意見を記入してご応募ください。
*応募いただいた時点で応募規約に同意したものとみなします。
*ご当選者の方は次回の記事内にて発表いたします。(お名前またはニックネームのみを掲載いたします)
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構成・取材・文/藤村仁美(vivace)
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