池悦子先生のココロに効くネット書道教室【第6回】

CULTURE

Posted on2021.11.09.

プレゼント

書道サロン主宰の池悦子先生による『ココロに効くネット書道教室』。毎月、今伝えたいメッセージを一文字の書で表現し、筆を揮う様子を動画でお届けしています。秋深まるこの季節は、池悦子先生いわく“大人の季節”。その真意とは……文章と映像でお楽しみください。

【読者プレゼント】
池悦子先生が書いた『美』の直筆色紙を1名様にプレゼントいたします。詳細は記事の最後をご覧ください。

池悦子

1970年から86年まで、宝飾品から家具・インテリア雑貨・紳士＆婦人ファッションまでの、海外のラグジュアリーブランドを集積した高級専門店の営業企画室に勤務。1986年に部下と共に、株式会社アイアンドエムを設立。ハイグレードなライフスタイルを提唱し、執筆・講演・イベント企画・マーケティングなどの業務を遂行。2012年、大東文化大学書道研究所書道教授者資格認定試験合格。漢字・仮名ともに『名誉成家』（最高位）取得。2014年から書道サロン『書便り俱楽部』主宰。本媒体のロゴも手がける。

今月の文字『美』

寒い季節は大人の季節

そろそろ本格的に寒さを感じるようになりました。暑い季節は肌を露出する若者の健康美が輝いています。一方で、秋から冬にかけての寒い季節は、大人の季節だと感じます。寒い季節が大人の季節と申し上げたのは、つまり、装いに必要な経験や知恵のある大人こそ楽しめる季節だと思うからです。大人の装いには、その方の価値観や経験してきたこと、お人柄がにじみ出てくるもの。それこそが、大人のおしゃれの醍醐味ではないかと感じます。

エレガントな装いを、今こそ

では、大人の美しい装いとは何かを考えた時に、コロナ禍での生活の影響で、長らくカジュアルでリラックスしたスタイルが中心になっていることが気になります。もちろんそれもいいのですが、そろそろ凜としたエレガントな装いを暮らしの中に取り戻してもいいのではないでしょうか。自粛生活が長引く中で、装うことを忘れてしまったような寂しい気持ちを感じてしまいます。大人の女性には、おしゃれをする楽しみをもっと味わっていただきたいと思うのです。

基本は五感を満足させること

『美』という文字には、バランスがよいという意味が含まれています。従来は整然としてバランスが取れている、クチュール系のファッションが美しいとされてきました。ただ、今の時代は違いますね。美しさもさまざまな形があり、どこに美しさを見出すかは人それぞれです。そもそも『美』の基本は、五感を満足させることにあります。どうしたら五感が満たされるのかは一人ひとり違って当然のことで、各々の美しさを追求すればいいのだと思います。今回は、そうした想いを込めて、きっちり整った文字ではなく、あえて少し崩した個性的な『美』に。個性的な中にも大人のエレガントさ、品のよさを感じさせる——そんな印象になるように表現しました。

自分らしい美を追求

美しさとは、ご自身の考えを持って生きることだと私は思います。誰しも自信がない部分がありますが、ご自身が何をお好きでどんなものに心地よさを感じるのかを、今一度見つめ直して、それを追求してみるといいかもしれません。ラグジュアリーブランドの全盛を経ているeven-if世代の方は、良質なものをよく知っています。冒頭で申し上げたとおり経験も知識もすでに備えているのです。もちろん、すべてにおいて高価なものを揃えましょうということではありません。ご自身が美しいと感じるものを身につけることで、その方らしい美しい装いができるのですから。