【新連載】池悦子先生からのメッセージ 人生を輝かせるヒント〈今月のテーマ:マナーについて〉 - even-if

【新連載】池悦子先生からのメッセージ 人生を輝かせるヒント〈今月のテーマ:マナーについて〉

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プレゼント

いつまでも輝きを失わず、年齢を重ねるごとに魅力を増す池悦子先生。これまで筆を揮う様子を動画で発信してきましたが、気品あふれる書はもちろんのこと、そこに紐づくメッセージも多くの人の心を捉えてきました。なぜ、その言葉に惹きつけられるのか……その核にあるのは、池悦子というひとりの女性の生き方にほかなりません。そこで、魅力ある女性として生きるためのヒントを、毎月テーマを変え、池先生にインタビュー。『人生を楽しみ、自分らしく心ゆたかに生きる極意』を、さまざまな視点からお伝えします。

 

【読者プレゼント】
池悦子先生が書いた直筆色紙を1名様にプレゼントいたします。詳細は記事の最後をご覧ください。

池悦子プロフィール

池悦子プロフィール

1970年から86年まで、宝飾品から家具・インテリア雑貨・紳士&婦人ファッションまでの、海外のラグジュアリーブランドを集積した高級専門店の営業企画室に勤務。1986年に部下と共に、株式会社アイアンドエムを設立。ハイグレードなライフスタイルを提唱し、執筆・講演・イベント企画・マーケティングなどの業務を遂行。2012年、大東文化大学書道研究所 書道教授者資格認定試験合格。漢字・仮名ともに『名誉成家』(最高位)取得。2014年から書道サロン『書便り俱楽部』主宰。本媒体のロゴも手がける。

今月のテーマ「マナーはルールにあらず——本当の“マナー”とは」

マナーとは相手への思いやり。やさしさに根ざしたエレガントなコミュニケーションの方法です

マナーの具体的なお話に入る前に、マナーの考え方を頭に入れておいていただければと思います。

マナーは、決してルールではありません。ルールは守るべきもので背けば罰則がありますが、マナーは必ずしも守るべきものではなく、またマナーに反するからといって罰則があるものではありません。

そのうえで、マナーとは何かと問われれば、人と人とが心地よく過ごす、思いやりをもって互いにやさしく生きるために生まれた方法だと私は考えています。

そうした方法が決まりごとになり、ひいては“常識”と呼ばれるものになっているわけですが、ここで気をつけたいのは、常識はすべての方に当てはまるわけではないということ。伝統や習慣、文化を背景に成り立っているマナーですから、相手に合わせて柔軟に考え、変える必要もあります。

マナーには個人的なものと社会的なものがあります

マナーには2通りあり、ひとつはいわゆる個人磨き。テーブルマナーやきれいなお辞儀の仕方、歩き方といった所作のほか、服装や言葉遣いなどご自身が美しくきれいになることにつながるものです。

とはいえ、ご自身を磨くために習得したマナーを相手に強要することは傲慢です。ナイフは右で持つという決まりがあっても、左利きの方もいらっしゃいます。相手にとってやさしくあるかどうか、そこが重要なのです。

一方で、社会性のあるマナーとは、やさしさと敬意をもって対応すること。レストランで大声で話して周囲に迷惑をかけてしまっては、きれいな言葉で話していたとしてもエレガントではありません。

また、席順もマナーが問われるシーンとして思い浮かべる方も多いでしょう。通常は入り口から遠い席が上席となりますが、もし上席の目の前の眺めがよくなかったらどうしますか。私であれば、入り口近くの席であっても目の前が美しい景色であればそこにご案内します。入り口から遠いから上席だろうと杓子定規に考えないこと。それもまた思いやりです。ただし、なぜそこにご案内したかの理由を伝えることは忘れずに。説明を怠ると、自分が粗末に扱われたと受け止められてしまいます。

マナーは、自分が恥をかかないためのものではなく、人に恥をかかせないためのもの

以前、とある食事の席で、パンを右手にあるお皿から取った方がいました。いわゆる“一般的なマナー”では、左のお皿から取るのが正しいとされていますが、なんと、その席にいた全員が、特に示し合わせたわけでもなくごく自然に右にあるパンを取り、何事もなかったかのように和やかに食事を楽しんだことがあります。

実は、これこそがマナーのあるべき姿。決まりだからと左のパンを取ってしまったり、あるいはその方に「パンは左からですよ」と声をかけたとしたら……その方はおそらく恥ずかしい思いをしてしまったでしょう。誰かが極端に困ることがなければ、マナーに多少反していたとしても容認するくらいの心の広さを持つことが、真の思いやりではないでしょうか。

装いのマナーも相手を不快にさせないことを基準に

私の装いの基本は“3K”——気分、気配り、機能性です。相手が絡まない自分だけの時間を過ごせる時や自宅で過ごす時などは、桜の時期だからピンクの服を着よう、天気がいいから軽やかな服にしようといった感じで、気分を大切にした装いをします。また、仕事なのかプライベートなのか、自分ひとりなのか人にお会いするのかなどの状況によって選ぶ服を変えることは気配りとして大切です。機能性でいえば、よく歩く日にピンヒールを選ぶのはとても機能的な装いとはいえません。シーンや場所、目的によって最適な装いをすることは、その日を快適に過ごすためにも大事なのです。

ただし、どんな場合でも相手がおられる場合は、3Kのうち気配りを最も重視し、気分は最後にします。なぜなら、装いのマナーもまた、相手への思いやりや敬意のうえに成り立っているからです。ご自分の立場をよく理解し、相手が不快に思うような装いをしないことがマナーといえるでしょう。

パーティーでの装いは主役よりも目立たないことが鉄則

パーティーでの装いに悩まれる方も多いようですが、基本を覚えておけば十分かと思います。パーティーの趣旨やドレスコードをよく理解し、会場を把握すること。そのうえで服を決めるといいでしょう。

この時に注意したいのは、主役よりも目立たないこと。結婚式に白い服がタブーということはよく知られていますが、私は、主役よりも高価な宝石を身につけたりブランドが目立つような品を持ったりすることも控えるようにしています。

あこがれの女性をロールモデルに

これまでお伝えしてきたようなマナーや考え方は、私が尊敬するあこがれの女性を参考にしています。それは、かつて勤務していたラグジュアリーブランド専門店のオーナーのお母様。歌人としても活躍した方ですが、エレガントで思いやりが深く、インターナショナルなマナーも心得た凛とした知的な女性でした。私が31歳の時に出会い、本当にいろいろなことを教えていただきました。

また、自分磨きのために、人間ウォッチングは意識的にしていました。特に海外に行った時は、セレブリティがよく訪れるカフェやホテルのロビーなどに行き、立ち居振る舞いをじっと見ていたものです。仕事柄、日本のセレブリティの方からアドバイスを求められることも多かったのですが、私にはそのようなライフスタイルはありませんでした。誰かに教えていただくか、自分の目で見る、本を読んで知ることが、私の仕事を全うする術だったのです。知ることへの努力は怠りませんでした。

「為せば成る 為さねば成らぬ 何事も 成らぬは人の 為さぬなりけり」ではないですが、できなかったということは、ご自身がしなかったということに等しいもの。マナーもしかりで、努力をすることで身についていくものだと心得ていただければと思います。

今月の書「ひそやかに持ちつづけ来しよき言葉花のごとくもいつか咲くべき」

池悦子先生の書の色紙

「現代のネット時代は、言葉の暴力によって心を傷つける行為が横行しており、悲しい限りです。

人生の師と仰ぎ憧れの、ビジネスウーマンであり歌人の大伴道子氏は、折に触れて心に響くよき言葉で15年間、私を励ましご指導くださいました。

大伴氏との出会いは、ディナーパーティー会場セッティングの現場でした。ホテルには、テーブル数に必要な同色のクロスの用意がないとの情報で、思案しておりました。そんな私に気づいた見知らぬご婦人が、『ご自分で確認しましたか?』とお聞きになられました。その方は、当社の非常勤役員でオーナーのお母様だったのです。確認すると2色ならば数が揃うと判明。2色のクロスを交互に使って仕上げた会場をご覧になられた氏は、笑みをたたえ『楽しい会場になりましたね。何事も自分で確認し、条件の中でアイデアを駆使して最高の結果を生み出すのがクリエーションです』と。

私は、31歳から今に至るまでこの言葉を心に刻み仕事にあたっています。氏から授かった貴重な数々の学びを皆さまにもお伝えしていきたいと思い、大伴道子氏の和歌を書かせていただきました。」

色紙プレゼント

池先生が書いた色紙を1名様にプレゼントいたします。

池悦子先生書の色紙プレゼント

応募期間

2022年5月7日(土)18:00 〜 2022年6月7日(火)17:59

応募規約にご同意いただいたうえで、応募フォームから必要事項ならびに本企画へのご感想やご意見を記入してご応募ください。

*応募いただいた時点で応募規約に同意したものとみなします。
*ご当選者の方は次回の記事内にて発表いたします。(お名前またはニックネームのみを掲載いたします)

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構成・取材/藤村仁美(vivace) 文/池悦子、藤村仁美(vivace)

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