【連載】池悦子先生からのメッセージ 人生を輝かせるヒント〈今月のテーマ:自分らしい装いについて〉
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ファッションのプロフェッショナルとして、ブランディングやマーケティングに長く携わってきた池悦子先生。その豊富な知識もさることながら、神髄は、豊かな表現力と発想にあります。自由に自分らしく表現することを信条とするファッションは、池悦子先生の生き方そのものです。年齢的にも環境的にも、ファッションのあり方、付き合い方が変わってくるeven-if世代にとって、そうした池悦子先生の考え方は大いに参考になるもの。そこで今回は、自分らしい装いとは何かをお伝えします。
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池悦子プロフィール
1970年から86年まで、宝飾品から家具・インテリア雑貨・紳士&婦人ファッションまでの、海外のラグジュアリーブランドを集積した高級専門店の営業企画室に勤務。1986年に部下と共に、株式会社アイアンドエムを設立。ハイグレードなライフスタイルを提唱し、執筆・講演・イベント企画・マーケティングなどの業務を遂行。2012年、大東文化大学書道研究所 書道教授者資格認定試験合格。漢字・仮名ともに『名誉成家』(最高位)取得。2014年から書道サロン『書便り俱楽部』主宰。本媒体のロゴも手がける。
今月のテーマ「ファッションは内面を映す鏡——“自分らしい装い”をするために」
自分でデザインし、オリジナルの服を着ていた時代
私のファッションのルーツをたどると、着せ替え人形で遊んでいた幼い頃まで遡ります。とにかくおしゃれをすることがとても好きでした。ファッションへの興味は、幼い頃から強かったと思います。私たちの時代は、プレタポルテ(既製服)はまだなく、オーダーをして洋服を仕立てるような時代でした。近所にオーダーできるお店があったり、伯母が洋裁をしていたので自分でデザインをした服を作っていただいたりしていました。自分の好きな服を自分の体型に合わせて着ていたのです。
現在のように、ヨーロッパの服を愛用するようになったのは、仕事柄ということもありますが、私の体型によるところも大きかったように思います。日本人の体型に合わせた服だと窮屈さを感じることが多かったのですが、あるとき、ヨーロッパの服を着た際に、ぴったりと体型に合ったのです。うれしかったですね。プレタポルテであっても、自分に合った服を着ることはとても大事だと思います。
あこがれのカトリーヌ・ドヌーヴ
西武ピサ*に入社してからは、ピサの顔でもあるイヴ・サンローランリヴ・ゴーシュをよく着るようになりましたが、私が今に至るまでサンローランを愛するようになったきっかけのひとつが、カトリーヌ・ドヌーヴです。
*世界の逸品を取り扱うラグジュアリーブランド専門店
サンローランオートクチュールのファッションショーでは、彼女が着席すると同時に幕が開くという、その存在のすごさ、格好よさ。自分の意見を持ち、決して媚びない姿勢。男は私を成長させてくれないけれども、仕事は私を成長させてくれるのよというマインド。着こなしはもちろんのこと、生き方を含めてあこがれるようになりました。サンローランにますます愛着を感じるようになると同時に、彼女の生き方に刺激され、自分を“クリエイトすること”の楽しみを知っていくようになりました。
自分のイメージは自分で確立する
自分をクリエイトするといえば大げさに聞こえるかもしれませんが、自分のイメージを自分で確立することは、とても大切。というのも、ファッションというのは本来内面が表れるものであり、また、人は思いのほか外見で判断しがちです。つまり、本当の自分=内面と、外に表れているファッションとが大きく違っていると、本来の自分を誤解されてしまう恐れもあります。
私は“あなた好み”になったことは一度もありませんが(笑)、例えば、ご結婚されている方で「その格好は夫が好きじゃないから」とおっしゃって、ご自身が着たい服やなりたいスタイルを諦めている方がいます。それは、ご自分を大切にしていないことと同じ。もし、周囲からの対応や態度に違和感があるのなら、ご自分でその状況を作っているのかもしれません。
まずは自分を知り、心地よさを感じることが大事
ご自身のイメージを確立するためには、まず自分自身に向き合い、分析し、一つひとつ整理することが大事です。何が好きで、どのような装いをしたいのか、どのような女性になりたいのか、自分のからだの好きな部分はどこなのか、どういう自分であれば心地よくいられるのか……。私の場合、ヨーロッパのマダムにあこがれ、マドモアゼルではなくマダムと呼びかけられるように装いました。
また、年齢や周囲の目を気にしてはいけません。私は、いくつになっても鮮やかなネイルをしますし、鮮やかなオレンジも着れば、赤やブルーも着ます。それは、自分自身に似合う色や形やスタイル、何を着れば自分自身が心地いいかを知っているからです。そして、それを積み重ねることで、自分のスタイルが確立され、まわりの方にもイメージが共有されていくのだと思います。ただし、年齢や周囲の目を気にしないといっても、“若々しい”と“幼い”の違いは知るべきに思います。キュートやコケティッシュな装いは大人の魅力ですが……。
余談ですが、友人や知人が私宛の贈り物やお土産などを選ぶ際に、迷わないそうです。事実、いただいたものはどれも私にぴったりで、これも私自身のイメージが、皆さまに伝わっているからこそだと思っています。
今月の書『遊びごころ』
ファッションは『遊びごころ』が肝心
ファッションの楽しみのひとつは、自分はこれが好きだというスタイルを確立すること。私は、自分らしくないと感じればお直しをして着ます。デザイナーがご提案するコーディネートをそのまま着ることもありません。かつて、海外へ買い付けに行ったとき、ソニア リキエルのニットにバックサテンのエレガントなパンツを合わせたことがあります。ブランドの担当者からは、ジャージー素材のパンツを合わせるように言われていたのですが、私の着こなしを見てデザイナーのソニアが褒めてくれたのです。この経験は「ああ自分流に着こなしてもいいのだな」と自信を持つきっかけとなりました。以来、自分なりのコーディネートを心から楽しんでいます。
自分なりに考え、味付けをし、自分に似合うように着るということには、「遊びごころ」を持ち楽しむことが肝心です。最近では男性にも増えてきていますが、女性はお化粧も含めて“変身”できるもの。今日はこういう女性像で過ごしてみようと、思い切り“女優”になって演じることもできます。それも、ファッションの遊びごころのひとつ。せっかくなら、思い切り楽しもうじゃありませんか。
洋服はあくまでも自分自身を表現する道具。服でどのように自分自身を演出し、表現するか。結局は、ご自身の生き方そのものを見つめることにほかなりません。
色紙プレゼント
池先生が書いた色紙を1名様にプレゼントいたします。
応募期間
2022年6月7日(火)18:00 〜 2022年7月7日(木)17:59
応募規約にご同意いただいたうえで、応募フォームから必要事項ならびに本企画へのご感想やご意見を記入してご応募ください。
*応募いただいた時点で応募規約に同意したものとみなします。
*ご当選者の方は次回の記事内にて発表いたします。(お名前またはニックネームのみを掲載いたします)
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構成・取材・文/藤村仁美(vivace)
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