【連載コラム】フィッシュバーン流“養生生活”のすすめ〈養生茶屋日記vol.17 2023年 文月〉養生茶屋店主の暮らしは、NO HERB, NO LIFE. - even-if

【連載コラム】フィッシュバーン流“養生生活”のすすめ〈養生茶屋日記vol.17 2023年 文月〉養生茶屋店主の暮らしは、NO HERB, NO LIFE.

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養生カフェのオーナーであるフィッシュバーン真也子さんによる連載コラム『養生茶屋日記』。残念ながら、今回で最終回となります。even-if世代には切っても切れない心とからだの“ゆらぎ”とどう上手につき合っていくかを、養生という視点からお伝えしてきました。自分で自分を癒やすことができれば、毎日をもっと軽やかに、生き生きと過ごせるはず——そんな願いをこめて、最後はフィッシュバーンさんの暮らしのベースにもなっているハーブの使い方についてご紹介します。

ハーブの上手な使い方

こんにちは、フィッシュバーンです。さて、残念ながら、今月でこの連載も最後となりました。

養生をテーマにいろいろなお話を紹介させていただきましたが、やはり最終回は養生茶屋店主らしく『ハーブ』について書いてみようと思います。

我が『だんで茶屋』では、日本茶とハーブをブレンドし、からだ養生のためのお茶をお出ししています。

だんで茶屋のお茶
これは、お店のメニュー『養生茶5種飲み比べ』。

お店ではお茶としてハーブを飲んでいただいていますが、それ以外にもハーブにはいろいろな楽しみ方があるのでご紹介しておきます。

茶香炉を使ってハーブの香りを楽しむ

香りでリラックスするために、アロマを焚いたり、ルームフレグランスを使ったりする方も多いのでは?

茶香炉

写真は茶香炉といって、お茶を香炉で焚いて香りを楽しみます。ローズマリーのような香りのはっきりしたハーブや葉の少ない茎茶(緑茶)などは、茶香炉向き。ろうそくの火で焚くことで、香ばしい香りが漂います。

ローズマリーのようなハーブは、お茶以外に料理にも使用できますが、余ったローズマリーは、この茶香炉に使用するのがおすすめ。

オイルに漬けて薬用油をつくる

有機ハーブをオイルに漬けておくことで、その成分がたっぷり滲み出た薬用オイルを作ることができます。

ハーブのオイル漬け

写真はセントジョンズワートというハーブをアーモンドオイルに漬けたもの。セントジョンズワートはメンタルケアに効果のあるハーブですが、消炎や鎮痛作用もあるので、エキスが滲み出たオイルは肩こりや筋肉痛を和らげてくれます。

使用するオイルは、オリーブオイル、ホホバオイル、アルガンオイルを使っても。2週間くらいでお手製のセントジョンズワートオイルができあがります。

肌荒れによく効くローズマリーバーム

茶香炉のところでも紹介したハーブ、ローズマリーは血行促進、細胞活性、鎮痛等の作用があります。

ローズマリーをオイル漬けにし、ワセリンや蜜蝋などと混ぜれば、簡単に肌荒れによく効くバームが作れます。

ハーブのバーム

このバーム、かなりベトつきますが、手荒れはもちろん顔やからだなどの乾燥予防に最適です。写真は、以前私が大量に作ったローズマリーバームです。普段使い用は大きな瓶、友人へのちょっとしたギフト用は小分けの容器に、とたくさん作りました。

即席簡単、安価なローズウォーター

香りの王様のローズ、ローズからほんの少しだけ抽出する精油を使用したローズウォーターは、うっとりするような芳醇な香りが魅力。ただ、正直高価すぎて、バシャバシャ使うのは躊躇してしまうんですよね。

ローズウォーター

そこで、試しに有機のドライローズを精製水に一日漬けたものを作ってみました。それにグリセリンを数滴入れたものがこれ。

とってもチープですが、ローズの香りたっぷりのシンプルな化粧水。高価なローズウォーターだとチマチマ使いがちですが、この化粧水だと安価なうえ、なくなったらすぐ作れるので豪快に使えます。シートに浸してパックするのもおすすめ。

育ちすぎたレモングラスで虫除けスプレー

テラスで育てていたレモングラス、成長が早く、切っても切ってもすぐ生えてきます。

レモングラスにはシトラールという成分が入っており、虫が嫌がる忌避効果があります。ローズウォーターと同じく精製水に漬け、そこに無水エタノールをプラスして、簡単に虫除けスプレーを作りました。

効果のほどは……ぼちぼち、といったところでしょうか(笑)。ヤブ蚊には負けました……。ただ、余計な添加物を入れていないので、肌荒れはまったくありません。

最終回の今回は、私が暮らしの中で実践しているハーブの使用法をいろいろ紹介してみました。皆さんも、ぜひいつもの暮らしにハーブを取り入れて健やかな養生ライフをお過ごしください。

約一年半、これまでお読みいただきまして、ありがとうございました。機会がありましたら、ぜひお店の方にお立ち寄りください。看板猫とともにお待ちしております。

だんで茶屋の看板猫

フィッシュバーン真也子

養生空間研究家、ハーバルプラクティショナー。 空間とお茶で心身の養生を目指す『だんで茶屋』店主。

出版社でインテリア誌やファッション誌の編集者として勤務したのち、フリーランスのエディター、インテリアスタイリスト、デコレーターとして長らく活動。 現在は、ハーブの専門家、ハーバルプラクティショナーの資格を活かし、『養生茶カフェ だんで茶屋』https://dandechaya.com/ を経営。その他、不動産賃貸業などを営む。

外国人との結婚と離婚、シングルマザーでの子育てなど、タフな過去を栄養にして生きる50代。いい『気』を求めて神社脇に移住し、住まいや暮らしを自分流にカスタマイズをしながら、心身の養生を追求するライフスタイルを提案している。54歳で大学に再入学し、現在、建築と住空間を勉強中。

〈著書〉
* 食と旅のエッセイ『笑顔になれる美味しいプロヴァンス』(スタンダードマガジン)
* 住まいのエッセイ『女ひとり・借金アリ・貯金ゼロからのトーキョー大家さんLIFE』(主婦の友社)

〈住まいのコラム〉
https://ieny.jp/post/1275

構成・写真・文/フィッシュバーン真也子

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