【連載コラム】フィッシュバーン流“養生生活”のすすめ〈養生茶屋日記vol.13 2023年 弥生〉養生にも『攻めと守り』を活用すべし - even-if

【連載コラム】フィッシュバーン流“養生生活”のすすめ〈養生茶屋日記vol.13 2023年 弥生〉養生にも『攻めと守り』を活用すべし

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養生カフェのオーナー、フィッシュバーン真也子さん自身の体験や経験を踏まえ、さまざまな心とからだの養生の方法をご紹介する『養生日記』。今回のテーマは、国立科学博物館で行われていた『毒』展をきっかけに考えた、養生における『攻めと守り』の重要性。展示を見ながら気づいた養生のポイントをお伝えします。『毒』ということもあり、やや刺激的な画像もありますが、ぜひ一緒に考えてみてください。

養生日記

こんにちは、フィッシュバーンです。気づけば梅の季節。

先日、上野の国立科学博物館で開催されていた『毒』展に行ってきました。

国立科学博物館の毒展

この展示は、この世で毒(生物に害をもたらすあらゆる物質)と呼ばれるさまざまなものを紹介。毒を持つ植物、動物、菌、薬、多くのものが一堂に集められ、とても面白い展示でした。

今回は、この中の興味深かった展示とともに、そこからの気づきを書いてみようと思います。

守りの毒を持つ植物たち

植物の毒というと、トリカブトやドクゼリなどが有名ですが、植物は外敵から自分を守るため、タンニンやヒスタミン、アルカロイドといったさまざまな物質を作り出しています。これも、毒の一種。

例えば、イラクサ。ハーブティーでもネトルという名前で知られています。

国立科学博物館の毒展

ネトルは茎にとげを持ち、とげにはアレルギー反応を起こすヒスタミンやアセチルコリンが含まれています。ネトルのとげはものすごく細かいのですが、とっても痛い。でも、お茶にして飲むと、血液浄化やアレルギー症状の緩和などの効果があります。

そして、こんな展示も。

国立科学博物館の毒展

ジャガイモは、炭水化物、食物繊維、カリウムなどを多く含む栄養価の高い食品ですが、その新芽にはソラニンという毒があり、大量に摂取すると腹痛やめまいが起こります。これは、ジャガイモが新芽を外敵から守るために作り出している毒です。

そのほか、種子や実を守るために毒を持つ植物も。

国立科学博物館の毒展

ビワや梅は、未熟な果実にアミグダリンという毒を持っています。熟していない実を取られることを防御するためにあるのだとか。

子孫繁栄を願うのは、人間も植物も一緒ですね。

攻めの毒を持つヘビやハチ、クモなど

守りの毒を持つ植物とは反対に、捕食をするために攻めの毒を持つ生物もいます。

国立科学博物館の毒展

ハブやオオスズメバチなどは、毒牙を使用して毒を獲物に注入し、相手を弱らせて捕食します。生きるために積極的に相手を襲うタイプですね。毒の種類は、それぞれ違っています。

国立科学博物館の毒展

相手の毒に耐性がある蛇は、毒を持つカエルを好んで捕食するといいます。攻めの毒を持つ生物は、やはりなかなかアグレッシブ。

『毒』展ではこのほか、毒キノコや麻薬など、たくさんの興味深いものがありました。

日常における『攻めと守り』

『毒』展を見た帰り道、『攻めと守り』ということに関して、いろいろ考えることがありました。

私のモットーである『養生』にも、攻めと守りがあるのではないか?例えば、日々の運動や栄養を考えた食事は『攻め』、休息やリラックス、安静などは『守り』。また、仕事でいえば、積極的に相手と絡んだり、何かを作り出すのは『攻め』、思考や知識を仕入れることは『守り』。

『攻めと守り』はいわばONとOFF。『攻めと守り』は人間の日常でも自然に行われていることなのだなぁと納得したりして……。そのバランスが崩れると、なにかと不調が表れるのでしょうね。

さて、展示を訪れて頭とからだを使った私。早速『攻め養生』、おいしいもの補給へ……。

国立科学博物館の毒展

そして満腹のお腹を抱え、上野の牡丹園を散策。

国立科学博物館の毒展

花を愛でながらの散歩は、たぶん『守り養生』。笠をかぶせられ、大切に育てられている牡丹に心が和みました。

皆様、日々の『攻めと守り』、ぜひバランスを取って養生してくださいね。

フィッシュバーン真也子

養生空間研究家、ハーバルプラクティショナー。 空間とお茶で心身の養生を目指す『だんで茶屋』店主。

出版社でインテリア誌やファッション誌の編集者として勤務したのち、フリーランスのエディター、インテリアスタイリスト、デコレーターとして長らく活動。 現在は、ハーブの専門家、ハーバルプラクティショナーの資格を活かし、『養生茶カフェ だんで茶屋』https://dandechaya.com/ を経営。その他、不動産賃貸業などを営む。

外国人との結婚と離婚、シングルマザーでの子育てなど、タフな過去を栄養にして生きる50代。いい『気』を求めて神社脇に移住し、住まいや暮らしを自分流にカスタマイズをしながら、心身の養生を追求するライフスタイルを提案している。54歳で大学に再入学し、現在、建築と住空間を勉強中。

〈著書〉
* 食と旅のエッセイ『笑顔になれる美味しいプロヴァンス』(スタンダードマガジン)
* 住まいのエッセイ『女ひとり・借金アリ・貯金ゼロからのトーキョー大家さんLIFE』(主婦の友社)

〈住まいのコラム〉
https://ieny.jp/post/1275

構成・写真・文/フィッシュバーン真也子

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