【連載コラム】フィッシュバーン流“養生生活”のすすめ〈養生茶屋日記 vol.1 弥生〉自分なりの『養生』を見つけよう
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今月から新しいコラム連載がスタート!even-if世代になじみ深いトピックスである、からだと心の“養生”について、自身も悩み、試行錯誤しながら取り組んできた養生カフェのオーナーであるフィッシュバーン真也子さんから、養生の考え方、日々の生活に取り入れるための方法、レシピなどを教えてもらいます。第1回目の今回は、お茶で養生を実践する方法についてご紹介します。
【自己紹介】はじめまして、フィッシュバーン真也子と申します。
縁あって、今月よりこちらでコラムを書かせていただくことになりました。
どうぞよろしくお願いいたします。
簡単に、自身のことを少しだけ紹介させていただきます。
ただ今50代半ば、養生茶カフェの店主をメインの仕事として生きています。人生のほとんどをフリーランスとして働き、ローンもたっぷり、バツイチ&シングルマザーでの子育てなど、人生におけるたくさんの負荷を抱えつつ生きてきました。
若い頃に頑張りすぎたせいもあり、40代からさまざまな不調が発生。その頃から、すべてにおいて日頃の『養生』の大事さを知るようになりました。
心、からだ、どちらも酷使して生きてきたので、40代後半からは「頑張った後は養生、無理した後は養生」と、常に心身をニュートラル状態に戻すよう意識。でも50代の今は、無理した後に養生するのではなく「頑張りすぎず、日々養生」という生き方にシフトチェンジしています。
これからこのコラムで、『養生』についてのいろいろを書いていきたいと思っています。
お茶で養生を実践する暮らし
養生に関しては、古来から現代まで多数の専門書があり、人によってその方法もさまざまだと思います。
私の場合、日々ストレスなく続けられる養生方法として「心地よい空間に身を置くこと」と「美味しくてからだにいいお茶を飲むこと」を養生の基本にしています。
体調不良が続いた40代、日々飲むお茶で体調を治すことはできないだろうかと、メディカルハーブ(薬効のあるハーブ)の勉強を始めました。
最終的にメディカルハーブ協会の最高位資格であるハーバルプラクティショナーという資格を取り、現在は「だんで茶屋」という小さな養生茶カフェを経営しています。
私自身も、自分のからだの声を聞き、毎日体調にあったハーブをお茶にブレンドして飲むようにしています。
例えば、今日はむくんでいるなと思えば、デトックス作用のあるハーブと緑茶のブレンド。
今日はちょっとイライラするなと思えば、鎮静作用のあるハーブと三年番茶のブレンド、というように、その日の具合に合わせたお茶をブレンドします。
それを、気持ちのいい空間で窓越しの日差しを浴びながらいただく。お茶だけでなく、その空間も養生の一つの要素として意識。
これが私にとってストレスのない自然な形の養生になっています。
身近な食材をお茶にブレンドして冷え養生
今の季節、お店には『冷え』でお悩みのお客様が多く来られます。
『冷え』は、からだを温める作用のある生姜や黒豆をお茶にして飲むとかなり改善します。いわゆる温活ですね。温活することで、代謝アップ、むくみの解消にもつながります。
お茶として飲む際のポイントは、以下の通りです。
生姜
ドライの生姜を買ってもいいのですが、生の生姜をスライスして干すと安上がりです。乾いたら、ミルで細かくして保存。
黒豆
乾燥した豆をちょっと炒ってから、ミルで細かくすると香ばしさが引き立ちます。写真は焙烙を使用していますが、フライパンで炒っても大丈夫。
生姜や黒豆はほうじ茶や番茶と相性がよく、砕いたものを保存しておけば、お茶にスプーン一杯入れるだけで、いつものお茶が養生茶に一変します。
どちらも気軽に手に入る食材なので、ぜひ、お試しになってみてください。
デトックスやリラックスに役立つ日本古来のハーブ
日本古来のハーブ、よもぎ、葛の葉、くろもじといった植物も、この季節におすすめです。これらも、いつものお茶にちょっと足すだけで、養生につながるお茶に変わります。
よもぎ
日本人とって身近な存在のよもぎ。よもぎには解毒や浄化作用があり、老廃物を体外に排出する役割をします。
葛の葉
女性ホルモンのひとつであるエストロゲンと似た働きを持つ大豆イソフラボンとは違う種類のイソフラボンを含みます。葛の葉のイソフラボンには、脂肪燃焼を助ける作用があります。
くろもじ
高級楊枝に使用されるくろもじは、健胃、抗菌、リラックスなど幅広い作用があり、甘い柑橘系のような香りは癒やし効果が高いと最近人気のハーブです。昔からウショウという名で、養命酒の原料のひとつにもなっています。
こういった日本のハーブは味だけでなく、香りも楽しむことでアロマ効果も期待できます。いい香りは脳の活性化につながりますので、頭の養生にもなりますね。
心が落ち着き、からだが癒やされ喜ぶようなこと、それらは皆『養生』につながることだと思います。皆様も、ぜひ自分なりの『養生』を暮らしの中で見つけてみてください。
フィッシュバーン真也子
養生空間研究家、ハーバルプラクティショナー。 空間とお茶で心身の養生を目指す『だんで茶屋』店主。
出版社でインテリア誌やファッション誌の編集者として勤務したのち、フリーランスのエディター、インテリアスタイリスト、デコレーターとして長らく活動。 現在は、ハーブの専門家、ハーバルプラクティショナーの資格を活かし、『養生茶カフェ だんで茶屋』https://dandechaya.com/ を経営。その他、不動産賃貸業などを営む。
外国人との結婚と離婚、シングルマザーでの子育てなど、タフな過去を栄養にして生きる50代。いい『気』を求めて神社脇に移住し、住まいや暮らしを自分流にカスタマイズをしながら、心身の養生を追求するライフスタイルを提案している。54歳で大学に再入学し、現在、建築と住空間を勉強中。
〈著書〉
* 食と旅のエッセイ『笑顔になれる美味しいプロヴァンス』(スタンダードマガジン)
* 住まいのエッセイ『女ひとり・借金アリ・貯金ゼロからのトーキョー大家さんLIFE』(主婦の友社)
〈住まいのコラム〉
https://ieny.jp/post/1275
構成・写真・文/フィッシュバーン真也子