【世界のコーヒー物語】こだわりのコーヒー豆を手に入れて、旅する気分を楽しもう - even-if

【世界のコーヒー物語】こだわりのコーヒー豆を手に入れて、旅する気分を楽しもう

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お買い物

自粛ムードが長引き、楽しみだった旅行にも行けず、気持ちが上がらないという方も多いはず。そんなときは、世界のコーヒー豆を買って、旅行気分を楽しみませんか? 今回は、高品質なコーヒー豆を取り揃える『MI CAFETO(ミカフェート)』から、おすすめのコーヒー豆をすてきなストーリーとともにご紹介します。

『MI CAFETO』について

『MI CAFETO』は、コーヒーハンターのJosé. 川島 良彰さんが世界各国のコーヒー農園を巡って発見をした、高品質なコーヒー豆を取り揃える輸入・販売会社です。良い豆を見つけるだけではなく、よりおいしくなるための農園支援なども行い、世界を股にかけるJosé.川島さんが出会ったすてきなコーヒーストーリーをご紹介します。

【STORY1】本物のキリマンジャロコーヒーを楽しむ

こちらは、タンザニアのキリマンジャロコーヒーにまつわる物語。

1893年、フランス人の宣教師たちは、インド洋のブルボン島(現レユニオン島)から持ち込んだブルボン種の苗を、キリマンジャロ山麓にあるキレマ村の教会の裏庭に植えました。

数年後、その樹から採取した種子で作った苗が地元の農家に分け与えられ、商業栽培が始まったことがタンザニアコーヒーの起源です。

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アフリカ大陸最高峰のキリマンジャロ登山の際、起点になる町モシ。かつて、この町からキレマ村の山麓で栽培されていた豆だけが、キリマンジャロコーヒーと呼ばれていました。

しかし、いつしか平地のアルーシャ地区で大量に栽培されるものまでキリマンジャロコーヒーを名乗るようになり、さらに現在では広大なタンザニア全土で収穫されるアラビカ種は、すべてキリマンジャロコーヒーとして販売されるようになってしまいました。

タンザニアのキリマンジャロコーヒーは、日本でもなじみ深い銘柄で、昔から愛飲されてきました。しかし、昔の風味を知っている愛飲家たちは、現在市販されているコーヒーには満足できず、他の銘柄を求めるようになってしまいました。

1893年に植えられたマザーツリー

2011年、José. 川島 良彰さんは本物のキリマンジャロコーヒーを復活させるためにキレマ村を訪問し、生き残っていたマザーツリー(母なる樹)と奇跡的な出会いを果たしました。

そして、タンザニア人の神父にマザーツリーの重要性を伝え、枯らさないように大切に育てること、教会周辺の小農家からコーヒーを集荷してもらうことをお願いし、100%ブルボン種のキリマンジャロコーヒー『キレマ チャーチ キリマンジャロ』を誕生させました。

正真正銘のキリマンジャロコーヒーを飲めば、コーヒーの概念がきっと変わるはずです。

キレマチャーチ キリマンジャロ

キレマチャーチ キリマンジャロ1,850円/ミカフェート

凛とした存在感のある酸味が特徴。スイートポテト、マロン、キャラメル、キンカンなど複雑なフレーバーと甘さで、飲みごたえと奥行きが楽しめます。

味わいの強さ:8 酸味:9 甘味:7 苦味:4 焙煎度:4

【STORY2】コロンビアの大自然で育ったフルーティーなコーヒーを楽しむ

コロンビアは日本の3倍もある国で、コーヒーの産地は全国各地に点在しています。2012年首都ボゴタに近いクンディナマルカ県に良い農園があると聞きつけました。

近いといってもボゴタから農園までは4時間半の道のりで、はじめのうちは快適なドライブでしたが、最後の数キロは舗装していない急斜面です。

そして、突然開けた視界に姿を現したのは、空に向かった半月型の山々と、その麓に気持ちよさそうに育つコーヒー樹でした。

19世紀からこの地でコーヒー栽培に従事するイタリア系コロンビア人の末裔フォアニータ シニステーラが、馬に乗ってJosé. 川島 良彰さんを迎えてくれました。

長年続いたコロンビア内戦中は、一家は危険で農園に住むことはできず、ようやくこの地域の治安が安定し戻った時には、農園は荒れ果て、周辺に住む村人達はゲリラへの恐怖で家に閉じこもり、子供は学校にも行けず、飢餓がまん延していたそうです。

彼女は、自分の農園の復興に着手するだけではなく、近隣地域の住人に食料を配り栄養状態を回復させました。またコーヒー生産を通じて生活を安定化させ、地域一帯となって高品質なコーヒーを生産することを目指したのです。

現在では、ミカフェートによる栽培技術支援を受け、コーヒーの品質も収量も年々向上しています。

さらに、近隣の小学校では、農園主の家族も授業を受け持ち、図書館の設立にも尽力しました。また、女性がそれぞれの得意分野を活かして働き、収入を得られるような就労支援までを行っています。

そんなフラグア農園の中でも、特においしいコーヒーが育つ畑を選び収穫したのが『プロ フラグア』。”プロ”とは、スペイン語で”純粋”という意味で、大切に育てられた完熟豆だけを使用しています。

プロ フラグア

プロ フラグア1,850円/ミカフェート

ミルクチョコレートやバニラの甘い風味が香ります。まろやかな口当たりで、ほんのり完熟したみかんのような余韻が残り、全体的に柔らかな味わいに。

味わいの強さ:6 酸味:5 甘味:7 苦味:5 焙煎度:3

【STORY3】感動的なコーヒー物語に想いをはせる

コロンビアの南部カウカ県ポパヤン市郊外のベジャビスタ農園は、自然と共生するコーヒー作りを目指して、イヴァン トマス レボジェードと妻のアルマが作った農園です。環境保護と品質向上に熱心で、自分の農園をとても愛する生産者でした。

この農園を訪問して二人と知り合い、これから日本で始めようとしている『グラン クリュ カフェ』(MI CAFETOの中でも最高峰のコーヒーブランド)の構想を彼は熱心に聞いてくれ「ぜひ自分の農園を見てほしい」とくまなく案内してくれました。

そして、そこでJosé. 川島 良彰さんがほれ込んだ畑”グアジャバル”と出会い、この特級畑のコーヒーを2008年に日本で紹介しました。

その後、毎年この農園を訪れるようになりましたが、研究熱心のイヴァンは、なかなかJosé. 川島 良彰さんを帰してくれず、もっとほかの国の産地の話を聞かせてほしい、どうしたら品質がよくなるか、と矢継ぎ早の質問が尽きませんでした。

ある年、この農園で採れる『グラン クリュ カフェ』以外のコーヒーを、別のカテゴリーとして日本で紹介する構想を話しました。実は、ベジャビスタ農園で目をつけていた畑があったのです。

イヴァンは、とても興奮して目をキラキラさせながらJosé. 川島 良彰さんの話を聞き、その畑の品質をさらに良くするには何をすべきか尋ねてきました。 グアジャバルとは別の尾根に広がるなだらかな畑は、日射量も豊富で土壌にも恵まれていました。しかし、複数の栽培種が植えられているのが気になり、この畑の環境に適したカトゥーラ種以外を抜根し、100%カトゥーラの単一栽培種の畑を作る提案したのです。

2011年4月の訪問時、いつものようにイヴァンとアルマが迎えてくれました。終日農園で過ごし、夕食をごちそうになりながら、これから始まる収穫の話で盛り上がりました。

「Joséと一緒に働き出して、農園全体の品質が上がってきたよ。ミカフェートファミリーに入れてくれて本当にありがとう!」と、 彼が突然握手を求めてきました。

「こちらこそ素晴らしいコーヒーを作ってくれてありがとう。」

そして翌日、帰国の途に就きました。

ところが、翌月の5月22日。イヴァンが農園に行く途中、心臓発作に襲われ急逝したと連絡が入りました。打ちのめされる思いでした。

9月に再び農園を訪問した際、気丈にも笑顔で迎えてくれたアルマでしたが、収穫の話になると「グアジャバルの畑の収穫が始まる直前にイヴァンが亡くなってしまい、今年は一粒のコーヒーも渡せない。本当に申し訳ない」と泣き崩れました。

しかし、2012年3月、半年ぶりに会ったアルマは、以前とは見違えるほどたくましくなっていました。「未亡人の農園だとばかにされないように、これからはしっかりこの農園を守っていく」と力強く話してくれました。

そして、ベテランの女性の摘み手だけで収穫グループを編成し、イヴァンと計画していたコーヒーハンターズ用の畑で完熟豆を収穫、日本に送るという約束をしてくれたのです。

イヴァンとアルマと、3人で何度も歩いた思い出の畑のコーヒー。

この畑を”Recuerdo de Ivan (イヴァンの思い出)”と名付けました。

レクエルド デ イヴァン

レクエルド デ イヴァン1,850円/ミカフェート

ゼラニウムのような甘い花のアロマが香り、味わいや酸味、苦味などがバランスの良いコーヒー豆。オレンジのフレーバー、ミルクチョコレートの余韻に、粘性のある質感が珍しい。

味わいの強さ:7 酸味:6 甘味:6 苦味:6 焙煎度:3

『MI CAFETO』のコーヒーはお店でも楽しめます

『MI CAFETO』では、他にもすてきなストーリーを持つコーヒー豆がたくさん揃っています。豆から伝わるさまざまな物語に思いをはせて、世界を旅する気分を楽しみましょう。

コーヒーは、都内と岩手で展開するショップでも楽しむことができます。高品質なコーヒー豆を、プロが淹れた最高の状態で飲めるので、ぜひ足を運んでみてくださいね。

MI CAFETO
https://www.mi-cafeto.com/

Cafe&Shop
https://www.mi-cafeto.com/shop/

構成・文/ミカフェート・久保田聡実(vivace)