声も歳をとるってホント……!?いつまでもハリのある声をキープする簡単“声美容”トレーニング
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声や話し方は、印象を大きく左右するもの。年齢とともに、どうしても低く元気のない声になってしまいがちです。そんな自分の声や話し方は変えられないものだと思っていませんか……?実は簡単なトレーニングで、生き生きとした声を手に入れることができるんです!今回は元アナウンサーの川瀬眞由美先生に、いつまでも若々しくハリのある声を保つコツを教えてもらいました。
川瀬眞由美先生
元テレビ朝日アナウンサー。テレビ朝日アスク取締役。若手アナウンサーの研修に加え、テレビ朝日アスクでは、創立時より講師としてアナウンスやナレーション、朗読、話し方など多岐にわたる指導を担当。企業や市民講座などでの講演・出張レッスンも行っている。
テレビ朝日アスク
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声が老ける原因って?声はトレーニングで変えられるの?
「年齢とともに声が老けてきたと自覚し、悩んでいる人も多いのではないでしょうか。そうでなくとも、何気ない会話の中で、相手から『何?』と聞き返されることが多い人は、危険信号です。また、気がつくと猫背になりがちな人も、声に悪影響が出ている可能性が」
「思い当たる人は、声にハリがなかったり、口をしっかり動かせていなかったりと、声が老化しているサインかもしれません。
声が老けてしまう原因は、主に2つあります。
1つめは、筋肉の衰え。からだの筋肉が衰えて姿勢が悪くなってしまうと、息の通り道が塞がれて呼吸が浅くなり、腹筋もゆるんでしまうので、声を出しづらくなってしまいます。また、表情筋が衰えたりこわばっていると、口を動かしにくくなり、はっきりと発音しづらくなります。
2つめは、気持ちの衰えです。年齢を重ねるとともに行動や気持ちが消極的になり、外出や人との会話が億劫になっている人も多いのではないでしょうか。エネルギッシュな生活を送りたいという欲がなくなると、無意識のうちに省エネモードで話すようになってしまいます。
でも、声の老化はトレーニングで防げます。正しい姿勢で口まわりの筋肉を大きく動かし、前向きな気持ちで話すよう心がければ、ハリのあるハツラツとした声を取り戻せるんです!相手にきちんと言葉を届けるように意識することも大切ですよ」
美声トレーニングその1 正しい姿勢を習得!
まず大切なのは、正しい姿勢。年齢とともにからだ全体の筋肉が衰え、猫背になりやすくなります。
縮こまった姿勢だと、息の通り道が塞がれて深い呼吸ができず、腹筋がゆるんでしまうのでしっかりした声が出せません。発声しやすく、正しい姿勢をマスターしましょう。
STEP1 猫背・巻き肩・前首に注意しながら、骨盤と体幹をまっすぐに立てます。この時、背中のブラホックあたりを真上に引き上げるイメージで。
STEP2 胸を張るのではなく肩を左右に開き、おなかは引っ込めます。
STEP3 首や頭がからだの前に出ないように、顔を立ててまっすぐに上げます。
POINT!
・姿勢を正す時、両肩の力を抜いて自然に下ろす。
・腹式呼吸を心がけると、深く呼吸ができてしっかりした声を出せるように。
・姿勢を整えて顔を上げると、まっすぐに声が出るようになり、気持ちも前向きに。
美声トレーニングその2 基本の表情をチェック!
明るい声を出しやすくするには、正しい口の開け方と頬の位置が大切。どんな発音でも口角と頬を常に上げ、笑顔を意識しましょう。
気分が沈んでいても笑顔でいれば声も明るくなりますし、明るい声で話していると気持ちも前向きになるので一石二鳥!
美声トレーニングその3 あいうえお発音トレーニング
明瞭に発音するには、顔の筋肉と顎の関節をしっかりと動かすことが大切。大きく口を動かすことで、筋肉の動きを思い起こさせましょう。
母音はすべての音についてくるので、まずは「あいうえお」をしっかり発声できるようにトレーニングするのがおすすめです。
STEP1 母音の「あいうえお」を、大きな口でゆっくりと発声します。このとき、頬は常に上げ、明るい声を出すように意識します。
「あ」歯医者さんで奥歯を見せるときのように、顎の関節から大きく開けます。
「い」口も顔の筋肉も、すべて横に引っ張るようなイメージで。
「う」顔のパーツを、顔の中央に引き寄せて、口を前に突き出します。
「え」口を縦に大きく開けて、舌の中央を上げるように。口角が上がったままを意識。
「お」口も顔の筋肉もすべて縦に引っ張ります。
STEP2 「あ」から「お」までを1セットとして、5回を目安に繰り返します。顎が痛い人は無理のない範囲で大丈夫です。
目安は1日3セットですが、朝出かける前や昼食後に眠くなりかけた時、夕方に疲れて気持ちが沈んできた時など、気がついたらトレーニングしてみるのがおすすめ。
口を大きく動かすことを習慣づけると、日常で話すときも顔の筋肉をしっかり使って話せるようになりますよ。
声を出せないときは、口の形を動かすだけでも十分効果的!マスクをしていれば電車の中や道を歩きながらなど、いつでも鍛えられます。
美声トレーニングその4 舌を鍛えるトレーニング
しっかりときれいな発音をするためには、舌の筋力も大切です。特にラ行・タ行・ダ行は、舌の力がポイントに。これらの発音は難しいですが、上手に発音できると言葉にキレのよさを感じられますよ。
STEP1 舌を歯茎の外側に沿わせるようになぞりながら回します。
STEP2 右回り・左回りと、それぞれ2周繰り返します。
STEP3 ついでに、口の内側からほうれい線のあたりに沿って舌で伸ばせばすっきり。両側を交互に、3往復繰り返します。
年齢を重ねると舌を動かす習慣がなくなっていることが多いので、気づいた時に意図的に舌を動かして鍛えるようにしましょう。マスクをつけたまま、舌で頬の内側をつついてみたりするだけでもOK。
美声トレーニングその5 楽しい発音トレーニング
発声と顔の筋トレを総合した練習もおすすめです。舌の筋肉と唇の筋肉を同時に使える発音トレーニングをご紹介します。
STEP1「パタカラ」とテンポよく声に出し、10回繰り返す
唇を開ける「パ」、舌を使う「タ」、息を強く出す「カ」、舌を弾く「ラ」と、いろいろな筋肉を動かせます。口腔外科の先生も推奨しているトレーニングです。
STEP2「バラビリブルベレボロ」とテンポよく声に出し、3回繰り返す
苦手な人の多い、バ行とラ行を交互に組み合わせたトレーニングです。舌と唇をすばやくきちんと動かせるように練習しましょう。
POINT!
・ゆっくりでもいいので、はっきりと発音する。
・頬を上げて、呪文のように楽しく声に出す。
発声するのがベストですが、できない時は口だけ動かしてもOK。
明るくハリのある声を出すには、明るい気持ちも大切!
若々しい声を保つには、姿勢や口の形、顔の筋肉だけでなく気持ちも重要です。明るくハツラツとした気持ちと表情で、相手のために届けるつもりで“遠く前に”を意識して声を出すようにしましょう。
ご紹介したトレーニングは、すべてを行う必要はありません。スキマ時間で、無理のない範囲で楽しくトライしてみてくださいね。
イラスト/reism・i(リズム) 構成・文/河合華子(vivace)